二○○一年九月、ニューヨークの世界貿易ツインタワーにハイジャック機が突入したが、そのときの衝撃は未だに人々の脳妄に映像とともに焼き付いている。私たちは時に、この事件のような想像を絶する恐ろしい出来事に遭遇する。けれど本当に恐ろしいのは、そうした出来事そのものではない。歴史的事件の裏側には、どんな真実が隠されているのか?
世界史の教科書ではたった一行ですまされてしまう出来事の影では、当時の人々のとんな悲しみや怒りが渦巻いているのか?また、男性も自分の中の女性的な部分を大切にするようになってきたのである。本書を含めてジョン・グレイ博士の著書は、いずれもそうした女性たちへの限りない優しさから出発している。こうした壁に立ち向かうためには、私たち自身が新しい知恵と技術を持って賢く乗り切っていくほかはないのだ。
どうもこの本は女性に有利にできているようだ、と誤解した私の友人に言っておこう。女性と男性の間には有利も不利もないのだ。損も得もない。勝ちも負けもない。たった一つ言えるのは、相手が幸せになれなくて、どうして自分が幸せになれようかということだけなのだ。歴史は多く、戦争・暴動・革命・虐殺・処刑といった非情なものに満ちあふれ、それらによって雄りかえられてきた。 |